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計算戦隊シソクレンジャー
第12話 ワルちゃんマンの割り切れない思い


 「あばよ!」
 という言葉を残して去って行ったワルちゃんマン。

 落胆する3人。

×「彼にもいつか、力を合わせることが必要だってことをわかってくれる時がくるさ」

 一方、3人の前から去っては行ったものの、ワルちゃんマンは苦悩していた。

 今まで、一人で秘宝を集めようと躍起になっていた。
 しかし、たとえ一人で全部集められたとしても、自分ひとりでは数学ワンダーランドへの道は開かれない。
 それはわかっている。

 しかし、残りの秘宝のカギを握る一人は、かつて敵対関係にあったセキタ王国の王子。
 あの王子と協力関係になるのは、自国の王子としてのプライドが許さない。

 でもその一方で、自分だけの力で旅を続けて行くのに限界を感じ始めているのも、事実だった。

 どんどん厳しさを増して行く敵の攻撃。
 ここまでは幸運にも、全て攻略してきた。

〜イカゲソが50本あります。イカの足を10本とすると、イカ何匹分の足がありますか?〜

〜3000円のケーキを6人で分けました。1人分はいくらでしょう。〜

〜ある公園の池は35万平方メートルで、この広さは公園の70%に当たります。
 公園全体の面積は何平方メートルでしょうか。〜


 でもよく考えれば、自分が今まで立ち向かってきた敵の問題は、割り切れる割り算の問題ばかりだったではないか。
 実はそれも、魔導師コックドーの策略であることに、ワルちゃんマンは気づく由もない。

 しかもあの3人は、まだ未熟とはいえ、カッコーをも駆使したコンビネーションで、自分には対処できないであろう問題をクリアした。

 今度、あんな問題が自分の前にも現れたら、どうする?

 苦悩するワルちゃんマン。

 そこに現れた敵!

〜50円のりんごと30円のみかんがあります。
 1こずつ買って100円出せば、お釣りはいくら?〜

 自分には解けない!
 ビリビリ光線がワルちゃんマンを襲う!
 薄らいで行く記憶の中に、あの3人の姿が一瞬よぎった。

 どのくらい気を失っていただろうか?

 ふと気づけば、ママさんダンプに乗せられ運ばれているワルちゃんマン。

−「あっ、気がついたみたい」
×「よかった。大丈夫か?」
+「ちっ、おせっかい野郎たちめ。あばよと言って去っていった奴を助けやがってよ」

÷「お前たちか。…ううっ!」
+「おい、まだ動かない方がいいぞ」

÷「あの敵は…?」
+「ああ、りんごとみかんの問題か。俺たちが倒したぜ。カンタンだったからな」
−「ビリビリ光線が落ちたから急いで駆けつけたら、ワルちゃんマンが倒れてたよ」
×「2人とも、見事なコンビネーションだったよ。
  もっとも僕は、そのコンビネーションには今回参加しなかったけどね。
  すばやくカッコーを呼ぶこともできてたしな」

÷「なぜ助けた?」
+「なんだかんだ言ってもよ、やっぱり俺たちには、お前の力が必要なんだよ」
−「加減乗除の秘宝は、それぞれ選ばれた者が持っていないと意味ないもんね」
×「君がこの先、一人で旅を続けるのは構わないけど、君に死なれては我々も困るからな」

 なおもダンプで引きずられるワルちゃんマン。

 長い間(ま)。

÷「おい」
×「なんだい?」
÷「どうやら俺、割り切れらなければいかんようだな。
  今まで悪かった」

 …!!!。
 顔を見合わせる3人。

−「÷(わる)勝っただと?お前さっきまで負けて倒れてただろ」

 一堂、爆笑。

+「おい、−のオヤジギャクがドン引きにならないでヒットしたぞ」
×「そいつは珍しい!真夏に雪が降るかな」
−「なんだと!?」

 一堂、またも笑い。

÷「これからはぜひ、そのコンビネーションに参加させてくれ」
×「そうだな。僕らもそれがいいと思うよ。
  問題の難易度もどんどん増していることだしな」

 ワルちゃんマンが仲間に加わった!

 その様子を、水晶で見ているルート王国の魔導師コックドーの後ろ姿。

「ふっふっふっふ。こちらの策略通り、4人揃ったわい。
 いよいよ、あの作戦を発動させる時が来たぞ。
 おい、作戦Cの実行準備だ!」
「はっ!」