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計算戦隊シソクレンジャー
第2話 はじめての闘い


 北の国にあるという数学ワンダーランドに向かって旅を始める、セキタ王国の王子、積田かける。
 かけるを見送る、国王、吟遊詩人、そして王国の子どもたち。
 城の陰では、こっそりとかけるの尾行を始めようと準備を始める怪しい人物。

 かけるが北を目指して歩いていると、突然どこからか4人の大男が現れた。
 そして、かけるをぐるりと取り囲んでしまった。
「おい、そこのボク。ここから先へは行っちゃあいけないぜ」
「わたしは北へ行かねばならないのです。行かせてください」
「何?北だと?」
「なおさら行かせるわけにはいかねぇなぁ」
「どうしても行きたいのなら、俺たちを倒すことだな」
「無益な争いはしたくありません」
「だったら、さっさと身ぐるみ脱いで、もと来た道を帰んな」
「それはできません。これは大事な物ですから」
「じゃあ、とっととやられてしまえっ!!」

 4人の大男は、見る見るうちに魔物に姿を変えて、かけるに襲いかかる。
 口からはき出しているのは、かけ算の問題だ。

 17×3 24×4 31×2 28×3
 13×5 18×3 21×4 12×8

 かけるは、この手の計算ができないわけではない。しかし、この2桁×1桁の計算は、そんなに速くできるわけではない。このままでは、問題の山に押しつぶされてしまう。
危うし、積田かける!

「そうだ!変身だ!!」



 かけるは、ワッペンとマントを装着する。
 こちらは見る見る体が収縮して、カケちゃんマンに変身!



「必殺技の『カケ斬り』を受けてみろ!」
 カケちゃんソードで、問題をバッタバッタと解いていく。
 最後の1問も解いてしまい、魔物たちは断末魔の叫びと共に姿を消した。



「やったぞ!」
 カケちゃんマンは、初めての闘いに勝利した。
 そして何故か、体中の力がみなぎる感覚を覚えた。どうやら、問題を解くと、カケちゃんマンとしての経験値がアップするらしい。
 意気揚々と、また北を目指して歩き始めるカケちゃんマン。
 元に戻るのを忘れている…。

 その頃、カケちゃんマンの200m後方では、彼を尾行していた怪しい男が、また誰かとテレパシーで連絡を取っていた。
「お師匠様。作戦A失敗してしまいましたっ」
「何だと?乗の秘宝を奪えなかったというのか?」
「左様にございます。送った刺客が、奴に返り討ちにされてしまったのでございます」
「うぬぬぬぬ……」
「しかも、刺客を倒して経験値を上げた模様にございます」
「おのれ…カケちゃんマンめ」
「どういたしましょうか?」
「ううむ、仕方ない。わしは作戦Bを実行することとしよう。お前は作戦Aを続行して、奴を倒して秘宝を奪うのじゃ」
「かしこまりました。手持ちの刺客が全滅してしまった故、新たな問題づくりには時間がかかりますが、努力いたします」
「頼んだぞ!」
「御意!」

 意気揚々と歩いているカケちゃんマン。
 問題づくりをしている、怪しい男。

 一方、場面が変わって、こちらはハクション帝国。
 ハクション帝国では、国を治めている魔王の石化が500年間解けないままである。
 500年間、魔王は昏々と眠り続けているのだ。
 そのため、かつて魔王に仕えていた側近の「スンチー」とその部下たちが、為す術なく困惑している。



 毎日、お祈りをしたり、お湯をかけたりしているのだが、一向に回復する兆しがない。 もっとも、スンチーたちは魔王族ではないから、魔法を使えない。
 魔王の石化が解けないのも当然である。
 この日も、朝のお祈り、魔王の介護をみんなでやっていた。
「参ったな。これ以上魔王様の石化が解けなければ、いよいよこの国も危ういぞ」
「スンチー様、もう打つ手がありません」
「いろいろ試して全部ダメだったもんな。もうアイデアも浮かばないなぁ…」
「おい!何を弱気になっているのだ。この国がどうなってもいいのか!」

その時、そこにいる者どもの心に直接訴えかける声があった。

(…魔王の復活を願ってやまない者たちよ…)

「だれだ!」

(…おぬしらが、かつて魔王に仕えていたことは知っておる…
 どうだ、話次第では手をかさんでもないぞ…)

「なに?条件はなんだ?」

(…我らが「ルート王国」の前進を阻む4つの国がある。
 それらの国の王子たちを討ち取ってほしい…)

「なんだ、そんな事か。承知した」

(…王子たちが持つ『加減乗除の4つの秘宝』を封印されし魔王に捧げるのだ。
 さすれば永きにわたる封印は解かれよう…)

「で、その王子たちは今どこにいるんだ?」

(…………)

「消えやがったか。誰だったんだ?
 まあいい。よし野郎ども!まずは魔王様にご報告だ!」

 急いで魔王の元へと向かうスンチーたち。



「魔王様!魔王様!」

「俺様ノ眠リヲ妨ゲルノハ誰ダ…」

「魔王様!私です!ご機嫌うるわしゅう」

「オォ…ソノ声ハ…500年ブリニ目ヲ覚マセバ…」

「そうです。スンチーにございます。お懐かしゅうございます!」



「何用ジャ…」

「ついに魔王様を自由にする方法を探り当てましてございます」

「ホォ。話シテミヨ…」

「かくかくしかじか…」

「ソノ話、マコトデアロウナ…。ヨシ!オヌシニチカラヲ授ケヨウ。
 必ズヤソノ『加減乗除の4つの秘宝』ヲモチカエルノダ!」

「御意!」

カケちゃんマンに新たな刺客の影が近づく!
カケちゃんマンの運命は!
そして、カケちゃんマンの仲間たちは見つかるのか?

第2話がまとめに入っているのに、怪しい後ろ姿が!

「ふっ、スンチーたちの力があれば、奴らを倒せるというものじゃ。
 作戦Aが失敗したとしても、スンチーたちが動いてくれるしのう。
 しばらくは高見の見物ができるし、ルート国王様の地位も安泰じゃ。
 ふははははは!」

次回に続く!