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計算戦隊シソクレンジャー
第3話 恐怖!ビリビリ光線


 初めて魔物を倒し、意気揚々と北へ向かって歩くカケちゃんマン。
 その200m後方で、彼を倒すために、尾行しながら算数の問題づくりをしている怪しい男。
 ハクション帝国では、眠りから目覚めた石化状態の魔王とその手下スンチー一味が会見。
 そして、今は後ろ姿しか分からないが、どうやら悪の黒幕らしい怪しい人物。
 それぞれの思いを乗せて、この物語は進行していく。

 場面はハクション帝国。
 魔王は、スンチーたちに魔力を授ける。
「おお、力がみなぎるようだ!」
「魔王様、ありがたき幸せ!」
「必ズヤソノ『加減乗除の4つの秘宝』ヲモチカエルノダ。
 俺様ハ、マタ深イ眠リニツクコトトシヨウ… ゴゴゴゴゴ……」



「よし、この力で、王子たちを倒すぞ!」
「王子たちのところへ、レッツゴー!」
「オー!」
「しかしスンチー様、どこにいるのかわかりませんが!」
「うげっ!そうだった!」

 その時、またもやそこにいる者どもの心に直接訴えかける声。

(…ふっふっふ。どうやら力を手に入れたようだな…)

「あっ!お前は!えーっと、確か…」
「ロート王国!」

(…ロートではない。ルート王国だ。我はルート国王に仕える魔導師コックドー。
 ハクション帝国の参謀、スンチーよ…)

「怪しい奴め!なぜ俺の名を知っているのだ!?」

(…今はそんなことはどうでもよい。エリア「SDHR868」に王子が1人、北を目指して歩いている…)

「その王子を討ち取ればよいのか?」

(…その通りだ。健闘を祈るぞ…)

 一味の中から、血気盛んな3人が選ばれた。
 空間移動自転車に乗って、エリア「SDHR868」へと急ぐ。

 3時間後。
 1人は右腕を内出血し、1人は左足を捻挫し、1人は両肩を擦りむいた状態で戻って来た。

「スンチー様。奴は小さいくせにめちゃめちゃ強いです…」
「まるで歯が立ちません…」
「ううう…肩が痛いようー…」

「何だと!そんなに強いのか!
 魔王様はどんな力を俺らに授けたというのだ!?」

「両手の指先から光線が出ます。でも…」
『そんなもん痛くもかゆくもないぞ!
 お前たちなど素手で十分だ!』と言われ…」
「わたしは押し出され…」
「わたしは寄り切られ…」
「わたしは下手出し投げ…」
「相撲かよ!」

(…ふっふっふ…思った通りだわい…)

「またお前か!」

(…所詮お前たちは魔法使いでも戦闘民族でもない。
 お前たちの力では、その程度なのだよ…)

「何!?もしやお前、それを知っていて…!」

(…まあ待て。その程度のけがで済むことも想定内よ。
 力を貸してやると言ったではないか。わしは約束を守る男よ。
 お前たちが身につけた力、それをわしに送るがよい。
 わしがその力を増幅して、王子どものの頭上に落としてみせよう…)

「送るって、どうやって…」

(…案ずるな。外に出て、上に向かって光線を放てば、すぐにわしのもとに届くのだ…)

 外に出てやってみるスンチー。

「これでいいのか?」

(…それでいいのだ…)

「よしわかった。光線を届けることとしよう」

 この時から、スンチーたちは毎朝庭に出て、空に向かって両手を挙げ、光線を放つ儀式を行っているのだ。
 それはそれは、端から見れば滑稽である。

 さて、3人の敵を押し出しと寄り切りと下手出し投げで破ったカケちゃんマンは、さらに意気揚々と北を目指して歩いている。

 尾行をやめてルート王国に戻り、先回りに方針転換した、例の怪しい男。
 問題を書きつけた立て札を、カケちゃんマンの前にテレポートさせた。

 突然、カケちゃんマンの前に、立て札が立ちはだかる。
 なぜかそこから先へは見えない壁があって進めないのだ。結界が張ってあるらしい。
 どうやら、この問題を解かないと先へ進めないらしい。

〜あるスーパーでは、定価6500円のセーターを3割引で販売しています。
 いくらで販売しているでしょう?〜

「ふん、今の俺には簡単さ!
 6500×0.3=1950。答えは1950円だ!」

 その瞬間、雷鳴と共に光線が、カケちゃんマンを直撃!
 体中を電流が走り、一瞬意識が遠のく。しかし、すぐに我に返った。
 頭を振りながら、状況がすぐには理解できないカケちゃんマン。

「うー…ビリビリきた…。今のは一体…」

 しかし、すぐに気づいた。

「そうか。間違えたか。
 3割引きだもんな。定価の7割で売ってるんだ。
 6500×0.7=4550。
 4550円!これでどうだ!」

 立て札が消え、ようやく前に進めることとなった。

「こういう作戦に出るようになったか。
 あのビリビリ光線には気をつけなければ…」

 さらに北へ向かって歩を進めるカケちゃんマン。

 水晶でその様子を見ている魔導師コックドーの後ろ姿。

「ちっ、倒せなかった!
 スンチーの光線源が微弱だったか。
 次は倒してやる…」

 つづく!