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計算戦隊シソクレンジャー
第9話 忍び寄る青い影


〜100円のシャープペンシルと50円の芯のセットを5セット買い、1000円出しました。おつりはいくら?〜

+「100+50=150!」
×「150×5=750!」
−「1000−750=250!どうだ!250円だっ!」

 キラキラキラ…正解!

 前回のことがあって以来、登場する問題に対して混乱することなく、コンビネーションを駆使してクリアできるようになってきた3人。
 カケちゃんマンにとっては不思議なのだが、タスちゃんマンにちょっとした心の成長があったことが原因である。

 旅を続ける3人。
 その3人に、突然何かが襲いかかる。
 それは、素早く動く青い竜巻だった。
 その動きから、カケちゃんマンは昔戦ったことがある相手だと察知。
「はて、どっかで会ったような……」
 しかし、思い出せない。この時点ではまだ誰だかは3人とも知らない。

「ぐえっ」
「ぎゃっ」

 タスちゃんマン、ヒクちゃんマンを一撃で気絶させた青い影は、カケちゃんマンの前に立ちはだかった!



「我が名は、割山国(わるやまこく)王子、割山 商(わるやま しょう)!
 またの名を、ワルちゃんマン!」

 名乗りを上げる、ワルちゃんマン。

「お前が…ワルちゃんマン!」

 カケちゃんマンは、はっと息を飲む。

 ワルちゃんマンの故郷である割山国は、カケちゃんマンのふるさとである、セキタ王国の隣の国である。
 割山国とセキタ王国は、かつて大きな戦争をしたことがあった。
 王子同士、前線で戦ったことがあったのだ。
 たくさんの死者が出た戦争で、2人とも重傷を負いながら生きながら得たのが奇跡だった。
 そのことを、カケちゃんマンは思い出すのであった。
 当然、この時点ではワルちゃんマンはカケちゃんマンの正体を知らない。
 向かい合い、刀を構えて相対峙する2人。

÷「貴様らの秘宝、いただきに来た!いざ尋常に勝負しろ!」
×「『尋常に勝負』って…不意打ちで2人も倒しといて『尋常』はないだろ!」
÷「ふん!その2人は単に弱かっただけのこと。邪魔者には眠ってもらっただけよ。
  貴様は見るからに強そうだからな」
×「俺たちから秘宝を奪って、どうするつもりだ!?」
÷「そんなこと、どうでも良いだろ!」
×「どうでも良くない!俺たちにも秘宝を守る使命があるのだ!」
÷「ふん…じゃ教えてやろう。
  俺様は、貧困の国を救うために秘宝を集めて数学ワンダーランドを目指している。
  ワンダーランドへ行くには、加減乗除の4つの秘宝が必要なのだ。
  秘宝を探しながらワンダーランドへの道を旅していると、
  秘宝を身につけている貴様ら3人を見つけた。
  探す手間が省けたぜ。俺様は貴様を倒し、秘宝を揃えて、国を救わなければならん!
  貴様らには恨みはないが、秘宝は手に入れなければならぬ。覚悟しろ!」

 ワルちゃんマンは、カケちゃんマンに斬りかかる。
 応戦するカケちゃんマン。



 しかし、なかなか決着がつかない。実力伯仲なのだ。

「ちっ、お前強いな。ここは一旦ひくぜ。
 しかしまた必ず、そのワッペンとマントをいただきに来るからな!
 首を洗って待ってろ!!」

 ワルちゃんマンは、捨てぜりふを残して一時退散する。

 疲れ切って立ちつくすカケちゃんマン。
 そこに目を覚ます、タスちゃんマンとヒクちゃんマン。

+「俺たち、どうしてたんだ…」
−「カケちゃんマン、えらくぼろぼろじゃないか。どうしたのさ。」

 カケちゃんマンは2人に話す。
 ワルちゃんマンが攻めてきたこと。
 ワルちゃんマンは隣の国の王子だということ。
 以前、自分の国と戦争をして、両国とも貧困状態になったこと。
 ワルちゃんマンは、自国の貧困を救うために、加減乗除の秘宝を集めていること。
 そのために3人を襲ったこと。
 カケちゃんマンとは実力伯仲のため決着がつかず、ワルちゃんマンが一時退散したこと。
 しかし、また秘宝を奪いに来ると言い残して行ったこと。

 話し合う3人。

−「何とか、ワルちゃんマンを仲間にできないかなあ」
×「うーん、仲間にしたいんだけど、悩むなあ…。
  故郷を貧困に陥れた戦争の、相手の国の王子だからなあ」
+「仲間にするしかねぇんじゃないか?
  あのワッペンも、あいつだけが装着できるんだろ?」
−「そうだねえ。あいつを倒してワッペンを奪っても、秘宝としての意味はないからね」
×「うーん。秘宝は1人に1つずつ。しかも選ばれた者にしか使えない。
  除の秘宝はあいつにしか使えないからなあ。
  仲間にして、4人でワンダーランドを目指すしかないのかぁ…」
−「カケちゃんマンの気持ちも分かるけど。ここは割り切って我慢するしかないよ」
×「いや、俺は大丈夫だよ。問題はワルちゃんマンだ。
  俺たちのワッペンを奪おうとしているからな。秘宝の秘密を知らないんだ。
  あいつを説得して、割り切って仲間になってもらうことができるかどうか…」
+「また来るって言い残したんなら、必ずまた来るよな。その時に3人で説得しようぜ」
−「そうだね」

 今度ワルちゃんマンが現れたら、仲間に入るよう説得を試みることで合意する3人。
 この様子を水晶で見ている、ルート王国の魔導師コックドーの後ろ姿。

「飛んで火にいるワルちゃんマンか。
 4つの秘宝が揃う瞬間が近づいてきたな。
 しかしそのためには、奴らが説得に成功することだな。
 4人揃ったら、あの作戦を発動するのだ。
 今から楽しみじゃわい。ふっふっふ…」