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増田修治「ユーモア詩で学級づくり」
第1回 足のニオイをかがせる翼のお父さん
〜ユーモア詩を通して親とつながる〜
(『授業づくりネットワーク』(学事出版)2004年4月号掲載)
執筆者紹介
増田 修治 埼玉・朝霞市立朝霞第二小学校
ますだ・しゅうじ
1958年埼玉県生まれ。
2002年7月、NHKにんげんドキュメント「詩が踊る教室」で、ユーモア詩の授業が放映され反響を呼ぶ。
翌2003年3月には、テレビ朝日「徹子の部屋」に出演し、スタジオが笑いに包まれた。
HP「どんぐり先生(増田修治)のホームページ」 http://www33.ocn.ne.jp/~shuzima3323/
★足のにおいをかがせる翼のお父さん
私のクラスに、翼という男の子がいる。少々やんちゃで、元気いっぱいの子である。時々はめをはずしすぎて、私におこられることもしばしばである。
そんな翼のお父さんは大工さんだが、ある日、翼がこんな詩を書いてきた。
父ちゃん
長川 翼(3年)
ぼくの父ちゃんは大工さんだ。
一番えらい親方だ。
大工さんの服は
ぼうそうぞくみたいだ。
なんでサラリーマンみたいに
ネクタイを
していないのかなぁー。
いつもタビをはいているから
足は強力にくさい。
この世で一番くさいかも…。
足がくさくても
家族のために
いっぱい働いてくれるので
しかたないから
今日も足のニオイを
かいであげようかなぁー? |
翼のお父さんは、家に帰るとタビをぬぎ、すぐにそのくさい足を、翼の顔におしつけるのである。翼は、
「そのくささといったら、すごいんだぜ、先生」
なんて報告してくれます。
とにかくはんぱじゃないニオイなのだそうだ。でも、そのニオイに対して、
「家族のためにいっぱい働いてくれるので、しかたないから、今日も足のニオイをかいであげようかなぁー」
と言うのである。父親にとって、こんなうれしいことはないのではないだろうか。
★お父さんからの手紙
翌日、長川さんからこんな手紙をもらった。
「心がなごみました」
長川 昌勝
翼の詩を読みました。とてもはずかしく思いました。そして笑いました。一緒に生活していても、なかなか子ども達と向き合って話したり、遊んであげたりする時間がありません。反省することばかりです。つかれて帰ってきても、元気な子ども達の顔を見るだけでつかれもふっとびます。子ども達のパワーをもらって、自分も頑張って働いています。
翼の素直な詩を読んで、心がなごみました。これからもよろしくお願いします。 |
翼のお父さんは我が子を膝にのせ、翼の詩がのった学級通信を一緒に読みながら、「オレのことを詩にするなよー」と目を真っ赤にして涙ぐんでいたそうだ。
翼は、「先生、父ちゃんがオレのことを膝にのせるなんて久しぶりだったよ!」
と、うれしそうに報告してくれた。
なかなか仕事が忙しくて子どもと向き合う時間がとれないお父さんって多いのではないだろうか。でも、こんなふうに我が子が父親を理解してくれたらうれしいと私自身も思ってしまった。
たった一遍の詩であっても、親を変えたり、親・子・教師をつなげる力を持っているんだと改めて感じることができた出来事であった。
この連載は、月刊雑誌『授業づくりネットワーク』(学事出版)の掲載から1ヶ月後にこのHPに登場します。
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