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増田修治「ユーモア詩で学級づくり」
第5回 価値観の多様性の獲得とコメントで大笑いの子どもたち
〜笑っていく中で身につく価値観とは?〜

(『授業づくりネットワーク』(学事出版)2004年8月号掲載)

執筆者紹介
増田 修治 埼玉・朝霞市立朝霞第二小学校
ますだ・しゅうじ
1958年埼玉県生まれ。
2002年7月、NHKにんげんドキュメント「詩が踊る教室」で、ユーモア詩の授業が放映され反響を呼ぶ。
翌2003年3月には、テレビ朝日「徹子の部屋」に出演し、スタジオが笑いに包まれた。
HP「どんぐり先生(増田修治)のホームページ」 http://www33.ocn.ne.jp/~shuzima3323/


1.価値観の多様性の獲得

 「ユーモア詩」を綴ることを通して、子どもたちは友達一人ひとりのユニークさがわかっていきます。それは、「人間という存在の多様性」を知っていく過程であると同時に、価値観の多様性を自らのものにしていく過程でもあるのです。佑希という男の子が次のような詩を綴ってきました。

 バレーボール
          野木 佑希(4年)
みんなで女子バレーを見ていた。
選手がみんながんばっていて、
とれそうなボールも
とびこんでとっていた。
試合のとちゅうで、
NEWSという歌手が
「フレ、フレ、日本!」
と応援していた。
それを見てパパは、
「チャラチャラしやがって…。
髪の毛立たしているより、
スポーツしている人の方が
かっこいいよなー」
と言った。
そしたら妹が、
「この歌っている人、
ちょうかっこいいよ」
と言った。
ぼくは
「それぞれがんばっていて
いいんじゃないかなー」
と思っている。

 NEWSという男の子のグループがバレーの応援をしていましたが、彼らは彼らなりに芸能界で生き残ろうと必死なのです。どの世界でも生き残っていくには必死さが必要です。そうしたそれぞれの頑張りを認めていくことの大切さが、子どもたちの中に育っているように思えた詩でした。

2.コメントが生き甲斐?

 少し前に上戸彩主演の「エースをねらえ」というドラマがありました。女の子たちは、結構見ていたようでした。子どもたちは、次の詩に見られるようにドラマの真似が大好きです。

 エースをねらえ!
          福島 綾華(4年)
日曜日に、ゆりなちゃんと遊んだ。
学校でテニスのかべうちをしたら、
ゆりなちゃんが、
「ボールに集中しろ!!」
と宗方コーチのように言った。
だから私は、
「はい、コーチ!」
とひろみのように言った。
そしたら今度は、
「ふりがあまくてよ、ひろみ!」
とお蝶婦人のように言った。
だから今度は、
「はい、お蝶夫人!」
とまたまたひろみのように言った。
もし増田先生がお蝶夫人みたいに、
「ふりがあまくてよ!」
と言ったら 気持ち悪いな。

 私はこの詩を通信にのせて、つぎのようなコメントを書きました。

お蝶婦人の巻き毛って、すごいよなー。
オレもあの巻き毛つけて言ってみたいなー。
「わきがくさくてよ、あやか」
ってね。

 最後の「わきがくさくてよ」のところで、子どもたちは大笑いでした。「ユーモア詩」を読むのも楽しいのですが、どんなコメントを書くかというのも、今は私の生き甲斐みたいなものになっています。


この連載は、月刊雑誌『授業づくりネットワーク』(学事出版)に掲載されたものです。
執筆者と編集者の許諾を得て掲載しています。 http://www.gakuji.co.jp/