本文へジャンプ

中村健一「教室がなごむお笑いのネタ」
第9回 クリスマス会ではサンタになる。
(『授業づくりネットワーク』(学事出版)2004年12月号掲載)

執筆者紹介
中村 健一 山口・岩国市立通津小学校
なかむら けんいち お笑い教師同盟所属。名前負けして胃腸が弱い。太田胃散が手放せません。


 続けて歌ってください。
 チャンチャンチャン、チャンチャンチャン…「青い山脈」になってしまった人は年寄りです。正解は「ジングル・ベル」。
 う〜ん、不十分なツカミ。
 不安を抱えて本文へ。

★サンタの衣装

 サンタの衣装はどこででも買える。おもちゃ屋はもちろん、ホームセンターなどでも売っている。
 値段も3千円程度。安い。
 新採の時からサンタになり続けて12年。当時は売ってなかった。苦労して作ったのを覚えている。

★クリスマス会の前に

 クラスでクリスマス会が企画される。企画担当の子どもたちを呼び、言う。
『他のみんなには内緒。クリスマス会にサンタが来るよ。ノルウェー産の本物が。サンタが登場するタイミングを考えといてね』

★クリスマス会当日

『お〜、お腹が痛い…』
 会の最中に叫ぶ。
『先生、ちょっとトイレ行ってくる。今まで通り、みんなで会を進めといてね』
 私は隣の特別教室に駆け込む。そして着替える。
 着替え終わったら廊下へ。連絡係が待っている。
「先生、次の歌で、1番が終わったら入って行って」
『先生じゃないって。ノルウェー産の本物だって!』
 あくまでしらばっくれる。バレててもいい。最後までしらばっくれる。
 戸をがらっと開けて入場。
 子どもたちの驚く表情。これがたまらない。
『メリークリスマス!』
 元気よく叫ぶ。
『私は〜サンタクロ〜スです。みんなが〜いい子なので〜、ノルウェーからやって来ま〜 した』
 もちろんインチキ外国人のように話す。変なイントネーションで話す。
『君た〜ちにプレゼントがありま〜す』
 袋からプレゼントを取り出す。小さな袋にアメやガムを入れた簡単な物だ。
 これを人数分、投げる。
 良識ある教師には怒られるだろう。抗議の電話をいただくかも知れない。
 それでも私は、投げる。
 教室はもちまき状態。非常に盛り上がる。
『みなさ〜ん、サンタさんから〜最後に1つだけお願〜いがありま〜す』
 子どもたちはいつも以上に注目してくれる。
『…中村先生を大切にしてくださ〜い』
 ここで爆笑。すぐ消える。
 服を着替えて再登場。
『あ〜すっきりした。あれ、そのお菓子どうしたの?』
「サンタさんがくれた…」
『えっ?サンタさんが来た?何か言ってなかった?』
「言ってなかった…」
『なんか大事なこと言ったんじゃない?』
「…中村先生を大切にって…」
『では、守らねばね!』
 この後も、子どもたちはうるさい。
「中村先生だったよね〜」
『先生じゃないって!ノルウェー産の本物だって!』
 あくまでしらばっくれる。バレててもいい。最後までしらばっくれる。
 それが笑いにつながる。


この連載は、月刊雑誌『授業づくりネットワーク』(学事出版)の掲載から1ヶ月後にこのHPに登場します。
リアルタイムで読みたい方は『授業づくりネットワーク』を定期購読してください。http://www.gakuji.co.jp/